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法務省がトヨタに勧告=カローラついにリコール=全伯で10万台以上に

ニッケイ新聞 2010年4月27日付け

 トヨタが、ブラジルでもついにリコール開始―。ミナス・ジェイラス州政府が22日より州内での販売差止めを行っていたトヨタ自動車のカローラだが、24日付伯字紙によれば、トヨタ自動車は法務省の指示を受け、ブラジル内でもリコール(回収・無償修理)を行うことを公表した。
 アクセルペダルやブレーキの不具合から、同車は米国、ヨーロッパ、カナダ、中国ですでにリコールが行われ、その数は850万台。ミナス州検察局では、度重なる同車の急加速による事故の報告を受けて、販売を禁止し、州消費者保護センターは事故原因の解明を要求していた。
 それに対し、トヨタ側はフロアマットの取り付け不備によるアクセルペダルへの巻き込みが原因であると発表し、ブラジル内でのリコールの必要性はないとしていたが、今回、法務省の消費者保護局より全伯での販売中止を示唆する警告を受け、フロアマットの交換決定に至った。
 リコールの対象となるのは、2008年4月以降製造のカローラで、対象に含むのが09年10月製造車までか、現在製造されているものまでかは現在検討中。対象となる台数は、少なくとも10万台以上に昇ると予想されている。
 トヨタ側は、決定し次第、数日間以内に同車所有者にフロアマット交換を通知する文書を郵送する予定だ。
 今回のリコールで焦点があてられたのはフロアマットだが、カローラ専用のフロアマットは付属品としてではなく、オプションとして別売りされていた。したがって、専用ではないマットを購入した消費者も多く、トヨタは販売代理店に対し同モデル専用マットの販売を義務付けた。
 今後製造される同車には、フロアマットの危険に注意を促すステッカーがフロントガラスに貼られるほか、マット設置方法に関する説明書が添えられる。
 ブラジルで、消費者保護局の勧告により自動車メーカーがリコールを実施するのは、イタリアのフィアットに続く2度目。
 フィアット社スティーロの後輪に不具合があったとの同局からの勧告に対し、フィアット社が回収を開始したのは今年3月。回収作業の遅れに対し、320万レアルの罰金が挙がっている。
 米国トヨタ社では、カローラの不具合による回収作業が遅れたとされ、すでに1640万米ドルの罰金が課せられたという。