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西村俊治氏=ブラジル農業発展に貢献

ニッケイ新聞 2010年4月27日付け

 ジャクト農機創業者の西村俊治氏が23日午後6時、サンパウロ州ポンペイア市のサンタカーザ病院で老衰のため死去した。99歳。約20日間、同病院に入院していた。24日午後3時から西村俊治技術財団で葬儀・告別式が営まれ、同日午後5時、ポンペイア墓地に埋葬された。
 京都府宇治市出身。日本力行会を通じ1932年に渡伯、38年にポンペイアに移り西村鉄工所を開業した。
 農薬噴霧器など農機具製造に従事した後、49年にジャクト農機株式会社に改組。79年に世界初となる大型コーヒー自動採集機を開発し、ブラジル農業の発展に貢献した。同社は80年代の経済危機などの困難を超え、106カ国へ製品を輸出する世界有数の農機メーカーとしての地位を確立している。
 79年に社長を退任後は教育にも力を注ぎ、82年に西村俊治技術財団による全寮制3年間のポンペイア農業技術専門学校を設立。同校が今年からサンパウロ技術大学(FATEC)ポンペイアキャンパスに変わるまで、計25期、843人の農業後継者を社会に送り出した。このほか、西村俊治小中学校(89年~)、西村智恵子職業学校(05年~)などを通じ地域の教育、人材育成にも尽力してきた。
 農業機械化功労賞(78年)、山本喜誉司賞(80年)、オルデン・イピランガ章(82年)、ブラジル政府労働功労賞(83年)、アポロニオ・サーレス章(89年)などブラジル国での表彰のほか、日本政府から82年に通産大臣賞、勲五等旭日章を受けている。