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輸出倍増を目指す米国=130人の企業家が攻勢かける

ニッケイ新聞 2010年4月28日付け

 130人のアメリカ企業家からなる過去最大規模の輸出促進ミッションが米国から来伯中だ。27日付けエスタード紙によれば、26日にサンパウロ市の高級ホテルで、可能性のある分野、消費者行動、税金制度や障壁、物流管理、債務不履行にならないための対策など各専門家から学んだ。
 バラク・オバマ米政権は、中国、インドと共に対伯輸出を5年以内に2倍にし、200万人の雇用を創出する戦略を打ち出している。今年のGDP(国内総生産)は7%と予想され、さらに「五輪やサッカーワールド杯を控えたブラジルは、短期間で伸びる可能性があり優先的に力を入れている」と駐伯米国大使。
 オバマ政権発足当初からゲーリー・ロック商務長官ら大臣級の9氏が来伯していたが、来週には商務省国際貿易局次官がブラジリアを訪問、防衛分野の企業ミッションも9月に来伯する予定。同ミッションは伯市場への攻勢の「第一歩」と関係者は話している。
 ブラジルとしては昨年、10年間で初めて44億ドルの対北米輸出赤字を出すなど貿易バランスの悪化が懸念されるものの、不況脱出を輸出に賭け、同時に貿易赤字軽減効果を狙う米政府は、中小企業の貿易促進のためにアメリカ輸出入銀行(エキシムバンク)から20億ドルの信用貸付を行うなど本格的に動いている。
 伯ウォールマート社のマルセロ・ビエナ副社長によれば、ブラジル為替レートは輸入向きで、現在は国内の7%が輸入品だという。昨年、ブラジルの第1貿易相手国の地位を中国に奪われた米国は、主要な問題点として、高い輸入関税と中国企業との競争を指摘している。