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2歳児養女虐待の罪=苦しむ姿を見て楽しみ=疑惑の元女性検事拘留に

ニッケイ新聞 2010年5月7日付け

 道徳観は一体どこへ―。養女として引き取った2歳児への虐待の容疑で起訴されていたヴェラ・ルシア・デ・サント・アナ・ゴメス元検事(57)に、リオの第32刑事法廷が未決拘留を告知した。6日付伯字紙によって報じられた。
 本件は、検事として活躍していたヴェラ被告人が養女(現在2歳10カ月)に対し、養子縁組で引き取った翌日から繰返し虐待を行っていたことが3月に発覚したのが発端。4月14日、被告人の自宅アパートに保護観察所職員が立ち入り、体の至るところに内出血を伴った少女が発見された。容疑が審議されていた今月4日、最終的な判決が出る前に未決拘留の判断が下った。
 被告人は、特に顔面に集中的に暴行を加えていたとされ、検察官は「少女の目や口には出血を伴う傷跡ができていた」と証言。検察側が提出した書類では、「被告人は、おとなしかった少女に暴行を加えては、少女が苦しむ姿を見て楽しんでいた」と報告されている。
 被告人は起訴事実を否定しているが、犯行現場を目撃している使用人らを、供述しないよう脅迫していたことも明らかとなった。後に元家政婦が、「被告人は暴言を吐きながら少女に手を上げていた」と供述し、虐待の事実を裏付けている。
 同事件を扱ったギリェルメ・スシリン・ポロ・ドゥアルテ判事は、「被告人を野放しにすることは、社会秩序を危険にさらすことになる」と今回の処置についてコメントした。5日夜、被告人の身柄拘束のため市警がリオのイパネマ区にある被告人の自宅に押し入ったが、被告人の姿はなく、現在のところ逮捕にはいたっていないという。
 一方、検察側は一般市民の声を受け、被告人に対し、少女に精神的苦痛を与えたことに対する賠償責任を追及する姿勢もみせている。見積もられる金額は50万レアルで、さらに被告人の収入から月額1割を少女が18歳になるまで送金することと、被害を受けた児童に心理学的ケアを施す治療費を要求する意向だ。
 養子縁組制度に関しては、児童引き取りのあとの返還や虐待などの問題が後を絶たない。今回のケース以前にも、「衣類を汚さないよう覚えるための教育」と言って児童の顔に排泄物をかけた母親が扶養権を剥奪される事件があるなど、判事らからは養子制度の里親基準に対する懸念が挙がっている。

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