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ACTA条約へ前進?=ブラジルが米国の注意リストに
ニッケイ新聞 2010年5月7日付け
米国、日本、欧州連合(EU)とその他8カ国が、海賊版からの知的財産保護に関する条約締結のために密室協議を行ったと、6日付けフォーリャ紙が報じた。
07年に始まった模倣品・海賊版拡散防止条約(ACTA)締結への動きは、年末までの署名をめざし加速化。草案通りなら、取締りの対象はジェネリック医薬品やインターネットコンテンツにも及ぶという。
具体的には、ネットワーク上の無許可コンテンツの配信禁止や、違反者のアクセス権剥奪の罰則を設定、また通過国での違反品差し押さえ規制が盛り込まれている。
ロベルト・アゼベドブラジルWTO大使は、同協議には発展途上国が2カ国しか参加していないと指摘。ブラジルは歓迎の目で見ていないことを示唆する一方、締結されれば「加盟への圧力は避けられない」と関係者。「米国の抱える問題に直結する同条約案は同国で歓迎された」とも言われている。
ブラジルは、先月末に米通商代表部が発表した知的財産保護違反監視リストの要注意国リストに、中国と一緒に上げられるなど、同分野での国際的評価は低い。
1日付けエスタード紙は、同リストはWTOの規定にのっとっていないものの、多国籍企業の投資抑制に繋がる可能性や、米国が特定貿易税を緩和する一般特恵制度対象からブラジルをはずすという懸念を指摘している。