ニッケイ新聞 2010年5月11日付け
しばしの休戦状態を経て、伯亜が保護貿易へ―。10日付けエスタード紙によれば、亜政府は国内で同種の品を生産している食品についてブラジルからの輸入を来月から禁止する。伯政府関係者によれば、ブラジルも亜国が禁止した同様の食品輸入規制で応戦する構えだ。
ギレルモ・モレノ亜商務省大臣によってスーパーマーッケット経営者らに報告された同規制は来月1日から実施され、10日からは、規制が守られているか否かを調べるため、検査官による査察も始まる。果物、とうもろこし、トマト缶などが対象で、マラクジャジュース、カシューナッツなど亜国にない製品は今のところ対象外。
クリスティーナ・キルチネル大統領の右腕でもある同大臣は、今回の決定を口頭で発表したのみ。ブラジルだけでなく、地元小売業、輸入会社などからも批判が出ているほか、「地元で生産しているものだけでは充分ではなく、品物が不足する恐れがある」と指摘する声もある。亜字紙の調査によれば、73・9%のインターネットユーザーが政府の新政策に反対だという。
ブエノス・アイレスで7日に開かれた伯亜貿易における監視委員会の会議後、イヴァン・ハマーリョ伯開発商工省次官は同紙に対し、食品輸入の制限について、亜政府の公式報告はされていないと述べ、「噂があったが、それに対しては懸念を表明した」と付け加えた。
1月から4月にかけてのブラジルから亜国への輸出額は、昨年同期比58・5%増の48億ドルを記録し、金融危機後の強い回復を示していた。一方、亜国からの輸入は40・4%増の43億ドルだった。