残虐事件続くジャサナン=浮浪者ら6人が被害に=住民らの不満が引き金か
ニッケイ新聞 2010年5月13日付け
11日未明、サンパウロ市北部のジャサナン区で浮浪者ら7人が何者かに銃撃され6人が死亡する事件が発生。同区内ではここ数日間のうちに連続した殺害事件が10件以上報告されたと、12日付伯字紙が報じた。
11日午前0時過ぎに同区フェルナン・ジアス街道高架下で起きた銃撃事件では、高架下で寝泊りしていた浮浪者らに向かって、2組のバイクに乗った4人組が約5メートルの至近距離から銃を乱射。25~35歳の浮浪者5人が死亡したほか、現場から約600メートル離れたところに住む29歳の男性も、現場付近を通りかかって事件にまきこまれ死亡した。
被害者の1人は付近のガソリンスタンドまで助けを求めに行ったが、病院に運ばれ死亡した。女性1人は頭に重傷を負ったものの一命を取り留めたという。
周辺の住民によれば、浮浪者らはクラックの常習者で、高架付近は以前から麻薬の取引場所として使われていた。
一命を取り留めた女性(25)は4人の子持ちだが、麻薬依存症に陥ったため夫に捨てられ、母親と同居。子供の世話は母親任せで家を空けることが多く、帰るのは食事と入浴のためだけだったという。
死亡した浮浪者の1人は窃盗罪で逮捕されていたが、復活祭の時期に仮釈放されたまま行方不明となっていた、サンパウロ市南部在住の26歳男性と確認された。
警察側は、犠牲者の身元確認を急ぐとともに、この付近ではひったくりや恐喝などが後を絶たず、住民の多くから苦情が挙がっていたことなどから、浮浪者に対して不満を抱いていた者の犯行だとして捜査を進めている。
一方、住民の間では別の推測も浮上する。9日に、車が故障した女性に車を押すなど手を貸した浮浪者の1人が女性の鞄を盗んだことから、激怒した女性が何人かの男性を連れて戻ってきて、浮浪者を殴ったりしたうえ、脅していったのが目撃されており、同一女性の復讐ではないかとの懐疑の声も聞こえている。
また、ジャサナン区では8日に市警のカルロス・ヴァグネル・ソウザ・デ・オリベイラさん(35)と浮浪者1人が殺害され、10日にも、軍警のマシモ・ベゼーラ・ダ・シルバ・ネット軍曹(39)が何者かに待ち伏せされて射殺されている。同じ日、同区内の別の場所では、両足を切断された14歳の少女の遺体が発見された。
同区では、昨月27日から、窃盗容疑がかかった27歳の男性が3発の銃撃を受けた事件を皮切りに、暴力沙汰が連続しており、住民の間には不安が募る。11日の様な複数の人を狙った襲撃事件は、今年すでに8件を数えているという。