ニッケイ新聞 2010年5月14日付け
先週の鉱工業生産に関する発表後、金融市場は今年の経済成長予想をさらに上方修正したと11日付けエスタード紙が報じた。アナリストたちによる2010年経済成長予想の平均は6・26%で、先週の6・06%から0・2ポイントの上昇を示した。
中央銀行が毎週発表するフォーカス調査のデータが、経済活動の加熱傾向認識に対する確信をエコノミストにもたらしたようだ。地理統計院(IBGE)によれば、この予測が現実となれば、7・5%を記録した1986年以来の高い成長率となる。財務省も、10年のGDP成長を5・5~6・5%とする方向で見直し作業に入った。
各エコノミストも予想を上方修正しており、IBGEが今週発表する月間産業分析(PMC)もこの動きに貢献すると見られている。
だが米国のモルガン・スタンレー社が行った調査報告によれば、サッカー・ワールド杯や五輪開催を見越した今後10年の平均で年5%という成長維持のためには、港や鉄道、空路、陸路などの設備への投資が絶対的に不足。インフラ投資は現在の2倍にする必要があるという。
ここ数年のブラジルのインフラ投資は、70年代のGDP5・4%から2・1%へと減少。「投資不足は国内生産に深刻なゆがみをもたらす」と警告する専門家もいるが、同紙の調査によれば、社会開発銀行(BNDES)は2010年から13年にかけての同分野への投資を、2005年から08年の実績を37%上回る2740億レアルに増額する意向だ。