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ブタンタン研究所で火災=貴重な標本や資料灰の山に
ニッケイ新聞 2010年5月18日付け
サンパウロ市西部にあるブタンタン研究所で15日朝、火災が起き、約120年間かけて集められた標本や資料焼失と16、17日付伯字紙が報じた。
保守作業のため14日夜から切られていた電気を、15日朝7時頃つないだ直後に火災が発生。標本保存にアルコールなどの可燃材料を使用していた事もあって、消防車到着までのわずかな時間に燃え広がった火は、1200度前後の高温に達したという。
消火作業は難航し、19時頃になって鎮火した火は、1970年代建造、1千平方メートルの建物のほぼ全館を焼き尽くした。最近入れたばかりの鉄骨で支えていなければ、天上も燃え落ちていたはずだという。
蛇の研究では世界でも最大級のブタンタン研究所には、数百種、8万5千点の蛇の標本があった他、45万点ともいわれるクモやサソリの標本なども焼失。標本以外の文書なども含め、焼失した資料の価値はお金に換算できないが、貴重な資財を焼き尽くした火災原因は現在調査中だ。
同研究所には火災予防や初期消火を有効化するための設備は何もなく、公的資金を投入しての保存努力の欠如が、今回の被害をより大きくしたと嘆く研究者達。火災などで焼失すれば復元が出来ない資料の数々が、無防備のまま保管されている研究所や資料館が多いことも有識者の不安を掻き立てている。