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保健所が突然に閉鎖=パライゾーポリスで苦情

ニッケイ新聞 2010年5月21日付け

 サンパウロ市パライゾーポリスのファベーラにあったパライゾーポリスⅡ保健所が、公の告知もないまま13日より一端閉鎖され、近隣の住民から苦情の声が挙がっている。19、20日付アゴーラ紙が報じた。
 同地域にある保健所は2つで、Ⅱ保健所は2007年8月に開設した。サンパウロ市との協定から、イスラエリタ・アルベルト・アインシュタイン病院が運営にあたっていた。
 保健所閉鎖の理由は壁の沈下で、倒壊すれば利用者にも危険が及ぶ可能性があると13日に運営が停止された。公な告知がない突然の閉鎖に、診療予約のあった患者はどうすればいいのか途方に暮れているという。
 妊娠6カ月で定期診断を受けていた女性も閉鎖の知らせを受けておらず、「3週間前に予約したのに誰も知らせてくれなかった。診療を受けないわけにはいかないのに」と、不満を洩らしている。
 人口約6万人の同地域に病院はなく、保健所はⅠ保健所のみ。Ⅱ保健所の利用者のほとんどは、そこから約400メートル離れたⅠ保健所へと流れたため、Ⅰ保健所は超満員となり、診療予約が入らないばかりか、診察不能だと帰された人もいるという。Ⅱ保健所は別の場所へ移転される予定だが、いまだ再開の目処は立っていない。