ニッケイ新聞 2010年5月22日付け
ブラジルを美しくする会(バンデルレイ・ダデウ・クルス会長)が主催する「第15回ブラジル掃除に学ぶ会」が30日午前8時からパウリスタ大通りで行われるにあたり、鈴木寿(ひさし)、玉根丈之(たまね・たけし)両氏らが来社し、幅広い一般からの参加を呼びかけた。
今年から就任したクルス会長は、「2014年のサッカーW杯、2016年のリオ・オリンピックまでに、ブラジルをきれいにして、外国からの観光客に恥じないようにしましょう」と主旨を説明し、「この美化運動を全国に広げたい」と意気込んだ。
今までは日本人が中心だったが、秘書にも非日系のエジミルソン・マルチンスさんを迎え、副会長に石大博明さん(こくだい・ひろあき、二世)をすえ、これからは日系二世や非日系人にも活動を広げていくという方針のもと人事が刷新された。
今年から監査役に退いた玉根さんも、「我々日系人として、ブラジルの発展のため、日本文化である掃除を通じて自身の心を磨き、日本の精神文化である正直、誠実、勤勉を伝え、微力ながらこの国の発展を願っています」と主旨を説明する。
95年に飯島秀昭さん(監査役)が阪神淡路大震災の被災地でトイレ掃除ボランティアをしたとき、それを主催していた日本を美しくする会相談役の鍵山秀三郎(かぎやま・ひでさぶろう)氏と知り合い、「来年、ぜひブラジルへ」と誘ったことがきっかけでブラジルでの活動が始まったと、同じく監査役の鈴木さんは歴史を振りかえる。
05年には日本から114人も来伯した他、昨年の清掃にも2千人が参加しており、今年もそれ以上の規模で行いたいとしている。
「ごみゼロ」にちなんで5月30日に実施するこの掃除会は、午前8時から11時まで。集合場所はパウリスタ大通り735番のクルベ・オムス前。周辺の清掃を行う。ほうき、ちり取りなどの持参を呼びかけているが相当数を同会が準備しており、「汚れても良い格好で気軽に参加して欲しい」と玉根さん。詳細問い合わせは日系コロニア担当(玉根=11・4701・7520)まで。
同会のポ語名称はZeladoria do Planeta do Brasilといい、今後は幅広い環境保全活動を展開していく方針。法務担当役員の西谷ヒロシ・セルジオさんはその一例として、サンパウロ市で洪水を引き起こす原因の一つと問題視されるペットボトルを再生し、箒を作る工場(月産1万ダース)をファベーラ住民を雇って運営するプロジェクトを紹介し、「模範例を数カ月以内に立ち上げ、将来的には全伯に広げていきたい」との抱負をのべた。
西谷さんは同プロジェクトへの協賛企業も求めている。同会はNGOとして連邦税などの代わりに寄付を受け取る資格があるという。詳細連絡は西谷さん(11・7763・1000)まで。