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ニッケイ新聞 2010年5月22日付け

 ブラジルを美しくする会の新会長クルスさんは元々、大手スーパーのポン・デ・アスーカルの幹部だった。その頃に貧民窟で支援活動をしているときに掃除会の面々と知りあい、参加するようになったとか。裕福なブラジル人は自分で掃除することに抵抗のある人が多いが、「糞尿臭のたえない貧民窟での支援に比べれば、掃除はキレイ」と意に介さない。29日午前9時からはコレジオ・ロドリゲス・アルベス(パウリスタ大通り227番)でトイレ掃除会もある。こちらも参加は自由なので飛び込みでもOK。
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 なぐさめ、はげまし長崎の ああ~長崎~の鐘が鳴る~♪ 先日あったラーモスの平和資料館落成式。式典のさい、同移住地出身の川道健さん(58歳、長崎)が大勢の列席者の前で「長崎の鐘」を歌った。博士永井隆氏の原爆体験が書かれ、ベストセラーとなった自叙伝を元に作られた歌だと聞いた。気になり、帰聖後に調べると、同氏は長崎医科大学で放射線科の医師。被爆時には、重症を負いながらも、次々に押し寄せる人の治療にあたった。被爆の影響による白血病が原因で43歳で亡くなるまでに、10以上の著書を残した。長年の放射線研究で被爆していたともいう。収入のほとんどを、原爆症に苦しむ人のために使った同氏には、ブラジルの日系人からの寄付もあった。広島と違い、長崎の被爆者で世界的に有名な人は少ない。同資料館でこうした人物を紹介してもいいのでは。