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ダッタフォーリャ=セーラとジウマ支持率並ぶ=効果てき面の宣伝放送=全地域、階層で得票増?=アエシオ副説も再燃化

ニッケイ新聞 2010年5月25日付け

 シロ・ゴメス氏の大統領選不出馬確定後初、正規の選挙キャンペーン開始前最後となったダッタフォーリャ調査(20、21日実施)結果が22日に発表され、大統領選での民主社会党(PSDB)セーラ氏と労働者党(PT)ジウマ氏の支持率が並んだと22日付フォーリャ紙などが報じた。他の機関の最新調査結果は19日付本紙既報だが、今回の調査結果からは、ジウマ氏の支持率がさらに上昇する余力を残している事が伺われる。

 各政党が自党候補確定のための党大会を開き、正規の選挙キャンペーンを開始するのは6月11日からだが、今年の統一選、特に大統領選は、既にキャンペーン開始との印象が強い。
 それだけに、他党候補に先駆けてのテレビやラジオによるPTの宣伝活動が、ルーラ大統領の高人気をジウマ氏支持に結びつける効果が大きい事を実感させた調査の意味は大。今回の調査では、ただ単に両者の支持率が並んだという以上の情報も盛り込まれている。
 具体的な出馬表明がなされてない、いわゆる泡沫候補と目される人の名が入った場合の支持率はセーラ氏もジウマ氏も36%で、次が緑の党(PV)のマリーナ・シウヴァ氏の10%。
 これを出馬表明済みの3人に絞ると、セーラ、ジウマ両氏が37%、マリーナ氏12%となる。
 地域や性、学歴、所得などに応じた統計では、ジウマ氏の全地域、全階層での支持率上昇が見られ、同氏への拒絶度も減少。知名度も徐々に向上し、セーラ氏の98%に対しジウマ氏90%。マリーナ氏も73%の人に知られる様になった。
 これらの数字は、候補者名を書いたリストを見せて聞いたもの。決選投票での支持率は、46%対45%と、ジウマ氏が初のリードを奪った。
 また、名前を見せず、「大統領選挙では誰に投票しますか」と聞いた自発返答調査の支持率は、ジウマ氏19%、セーラ氏14%。
 ここで「ルーラ大統領」との答が9%あったのは選挙についての正しい情報が認知されてない証拠だが、「ルーラが選んだ候補」や「PTの候補」に投票との回答も多い。ルーラが選ぶ候補に投票が44%、多分ルーラが選んだ候補に投票が22%との数字も合わせれば、ジウマ氏の支持率は37%以上となる。
 今回の調査報告後、副大統領候補にアエシオ・ネーヴェス元ミナス州知事の名が必要との声が高まったPSDBでは、11日の党大会までの交渉にも衆目が集まる。
 F・H・カルドーゾ氏出馬時を例外とし、1989年以降の選挙では、3~5月はPT候補支持率伸張とPSDB候補の支持率下落が一般的。現時点で今後の動きを予想するのは困難だが、形勢逆転のためにはセーラ氏も貧困対策強調が必要との声や、マリーナ氏の飛躍的な支持率向上は難しいとの見方も出ている。