ニッケイ新聞 2010年5月29日付け
【既報関連】アルゼンチン政府からの正式な通知こそないものの、ブラジルから同国向けの食料品輸出には既に同国政府介入による影響が出ていると28日付エスタード紙が報じた。11日付本紙で報じた様に、ア国政府が制限をしているのは、同国でも生産している食料品やその類似品だ。
例えば、ジュッサラ、ジュレマなどの商標で知られ、輸出の6割はア国向けというブラスフリゴの場合、5月に入ってからは連日の注文破棄で、25台のトラックが休業状態。年間契約を結んでいるア国の顧客は30社で、5月分の損失は70万ドルに上るという。
ア国の輸入業者は食料品を輸入するなら同じ額を輸出せよと命じられているともいい、とうもろこしや加工品を輸出しているオデリシ社も、週20台出ていたトラックが今や週2台だけと嘆く。
問題は、公式ルートでは輸入制限などないと言うア国政府が、現実には口頭で指示を出し、従わない業者には脅しまでかけていると見られる事。正式な通達もない輸入制限に対しては、ブラジル政府としても公的な報復処置をとる事は不可能だ。