ニッケイ新聞 2010年6月2日付け
先月結婚の報告を兼ねて訪日し、その際に妻の故郷を訪ねた。彼女は3世なので、正確には祖父母の故郷訪問だった。
失礼とは思いながらも、訪問先に連絡したのは日本に到着した後。熊本と福島の親戚、4カ所ほどに電話をかけた。
初めて名前を聞くブラジルの親戚だ。挨拶と墓参ができればという気持ちだったが、実際に訪ねると想像以上に温かく迎えられ、夕食も共にさせてもらった。地元を案内してくれる人もあった。
もちろん全ての親戚訪問がこのように順調ではないだろう。自分たちの場合は幸運だったと思う。それでも今回、親族の絆というものを目の前で感じ、正直言って驚いた。それに一番驚き、感動したのは、訪ねた本人だったかもしれない。
今回感じたような、孫の世代までわたる日伯間の繋がりが、まだ日本中にあるのだろう。一つでも消えないように、続いてほしいと思う。(ま)