ニッケイ新聞 2010年6月3日付け
レジストロが元気だ。半世紀以上の歴史を持ち、毎年数万人の人出で賑わう11月の「灯ろう流し」。マンジューバの刺身も楽しめる「寿司祭り」は今年15回目。2013年に入植100周年を迎えることから、市が準備委員会を立ち上げるとか。日本移民が作った町はいくつかあるが、現在も市政にコロニアが大きな存在感を示す顕著な例だ▼そのレジストロにもう一つの顔ができそうだ。8月7日にある「平和灯ろう流し」だ。初回だった昨年は参加者100人のささやかなものだったが、今年は何と1千人以上が訪れることになるとか。このほどサンパウロ教育局の年間プログラムが「平和灯ろう流し」に決まり、レジストロやサンパウロの子供たちが参加する▼仕掛け人は07、08年に教育局が実施し、参加校が過去最大だった日本文化教育プログラム「ビバ・ジャポン」を成功に導いた日野寛幸コーディネーター。原爆投下までの歴史、原子力、放射能の影響などを学習する現在作成中の映像には、灯ろうだけに「お盆」の由来も盛り込むとか。レジストロの子供たちは準備万端で、すでに当日に発表する歌の練習中。そういえば、「ビバ・ジャポン」でもレジストロは、最大級の成果発表会を開いた▼興味深いのは、初めて教育局と日系団体が連携したことだ。ビバ・ジャポンのおり、日系団体が学校の協力要請に応えられないことを嘆いていた日野氏だが、「コロニアがブラジルに寄与していく時代」と喜ぶ。公立校で様々なニッポンを学んだ子供たちが主役となるブラジルの将来が楽しみだ。(剛)