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大統領選2候補またも拮抗=Ibopeでも共に37%=現政権評価と支持率相関=いよいよ選挙戦本番へ

ニッケイ新聞 2010年6月8日付け

 5月31日から6月3日にかけて行われたブラジル世論調査・統計機関(Ibope)の調査によると、次期大統領選の支持率は、労働者党(PT)のジルマ氏と民主社会党(PSDB)のセーラ氏が共に37%で拮抗状態のまま推移していると7日付エスタード紙が報じた。8日付同紙によれば、現政権への評価と各候補の支持率には相関関係もあるという。

 PTがラジオやテレビを使った宣伝用番組を流した直後に行われた他機関の調査でジルマ、セーラ両候補の支持率が並んだのは3週間前。民主党(DEM)がセーラ氏宣伝用番組を流した後の今回の調査では、ジルマ氏の追い上げが続いてセーラ氏支持率を凌ぐか否かが注目されていた。
 そういう意味で、今回のIbope調査での支持率拮抗は、DEMの番組が功を奏し、ジルマ氏の追い上げをセーラ氏が凌いだ形となった事の表れといえる。緑の党(PV)のマリーナ・シウヴァ氏支持率は9%でほぼ変わっていない。
 また、ジウマ氏対セーラ氏で行った決選投票での支持率も共に42%の同率で、選挙戦の火蓋が正式に切って落とされる今月以降の動向が勝敗を決める事になる。
 今回の調査では、ジルマ氏の票田は北東伯で、セーラ氏の票田は南伯、南東伯との傾向が維持されているものの、北東伯でのジルマ氏リードが20ポイントに広がったのに対し、南東伯でのセーラ氏リードは8ポイントに縮小。4月には両者が拮抗していた北伯/中西伯は、ジルマ氏の12ポイントリードとなった。
 両者の支持は所得でも大きく変わり、最低賃金1つ以下ではジルマ氏43%対セーラ氏32%だが、5つ以上では33%対42%と逆転する。
 所得別の支持率は、社会政策の恩恵を受けている人を対象とした調査での支持率の差にも反映されており、ジルマ氏支持率はセーラ氏の33%を上回る43%。最も差が顕著な北東伯では、生活扶助などの受給者のジルマ氏支持率は47%で、セーラ氏の27%を大きく引き離している。
 また、現政権の政策を高く評価する人はジルマ氏を支持する率が高く、現政権への不満を表明する人はセーラ氏やマリーナ氏支持の傾向が強い。現政権で評価が高いのは所得や雇用、購買力など、評価が低いのは治安や税制などだ。
 PSDBと共闘を組むDEMなどの番組放送の機会が増える6月はセーラ氏有利というが、5月30日付エスタード紙によれば、有権者比率は、南東伯43・5%、北東伯26・9%、南伯15%、北伯7・3%、中西伯7・1%。地域毎に違う選挙民の関心や必要にどの位適切にアピールできるかも選挙参謀達の腕の見せ所となる。