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FARC=〝留学〟名目で潜入し=コカイン密輸ルート拡大

ニッケイ新聞 2010年6月8日付け

 5月にアマゾナス州マナウスで発覚したコロンビア開放前線(FARC)と伯麻薬密売者の闇取引は、密輸ルートのほんの一端にしか過ぎなかった―。15年以上ブラジル領内に潜入して活動していたゲリラ部隊元総司令官が、6日付エスタード紙の独占取材の中でその実態を明かした。
 同証言によれば、ゲリラ部隊は90年代からブラジルでの活動範囲を急激に拡大させてきた。国境付近のブラジル領土でコカイン密売と武器収集の指揮をとっていた元総司令官は、500万レアル以上の取引に携わってきた。
 FARCはここ数年、ブラジル北部の都市に兵士を送り込んで各地の麻薬密売者とのネットワークを張り巡らしてきたが、その兵士派遣に際しての建前はブラジルへの〃留学〃とされているという。
 元総司令官は「兵士にポ語を習得させ伯社会を探る機会を与える必要があったほか、留学生という名目は完璧な仮面になった」と語っている。これら仮面留学生は、3カ月に約2万レをFARCより受け取っているという。
 アマゾナス州ではマナウスのほか、すでにタバチンガ、ククイー、テフェー、ベンジャミン・コンスタンチ、サンガブリエル・ダ・カショエイラの少なくとも5都市でFARCの活動が確認されている。それらの拠点から、ロライマ州ボア・ヴィスタまでコカインが輸送されていた形跡も明らかとなった。
 こういった麻薬密輸ルート拡大の最大の理由は、ブラジルでの高額なコカイン取引額。コロンビアでは1キログラム相場1万5千レの純コカインが、ヴェネズエラでは2万5千レ、ブラジルでは5万レという価格で取引されているようだ。

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