ニッケイ新聞 2010年6月11日付け
通貨政策委員会(Copom)が9日、政策金利(Selic)を0・75ポイント高の10・25%に引上げ、1桁金利は1年で終了と10日付伯字紙が報じた。ルーラ政権発足の03年に26%だった政策金利が1桁となったのは09年6月10日。9日の金利引上げは今年2度目だ。
今回の金利引上げの理由は4月同様、加熱化した経済活動を減速させ、インフレを抑制するため。市場では、年内にはまだ2度、0・75ポイントの引上げが行われ、年利11・75%で越年と予想している。
8日発表の政府の公式インフレ指数IPCAによれば、5月のインフレは0・43%で、2月の0・78%や4月の0・57%より小幅で今年の累積は3・09%。12カ月間累積は、4月までの5・26%から5・22%に縮小したが、中銀は、年間インフレが政府目標上限の6%突破する事を懸念。4月以降の経済活動は減速化したが、12カ月のインフレ累積は政府目標の4・5%よりまだ高い。
長期的に見ると金利引上げのペースが早いという専門家もおり、全国工業連盟(CNI)やサンパウロ州工業連盟(Fiesp)からも、折角回復してきた工業生産に水を差すとの批判があるものの、Copom側は、5月IPCAは食品価格値下がりの影響と判断。サービス料などの上昇は予断を許さない状況だという。
今回の金利引上げで、1500レアルの冷蔵庫を12回払いで購入する時の支払額は月177・25レアルが同177・84レアル、支払総額も2127レアルが2134・08レアルになる。2万5千レアルの車を60回払いで購入する時は月799・65レアルが同810・68レアル、支払総額も4万7979レアルが4万8640・80レアルに上昇する。