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16年間父に強姦された娘=「私はお父さんを許せる」
ニッケイ新聞 2010年6月12日付け
「今でも怒りは感じてない。お父さんは家族として愛してる―」。8日マラニョン州ピニェイロ市で発覚した父親が16年間娘を監禁し強姦を繰り返し捕まった事件で、父親の7人の子供を産んだ娘サンドラ・マリア・モンテイロさん(28)が11日付伯字紙のインタビューの中で冒頭のように応えている。
犯罪は、ピニェイロ市の島にある人里離れた民家で16年間にわたり繰り広げられられていた。ジョゼ・アゴスチーニョ・ペレイラ・ビスポ容疑者(54)は当時12歳だった娘サンドラさんとその姉(31)を監禁して性行為を繰り返して、8人の子供を産ませていた。
汚れた民家から保護されたサンドラさんの子供たちは、栄養失調状態のうえ、十分な教育が受けられず、コミュニケーション能力が乏しい状態だ。警察が踏み込んだ際に逃げ出した2人の子供も無事保護され、現在はサンドラさんと伴に生活ケアを受けている。
実の父親に性行為を強要されて7人の子供を産んだサンドラさんは、父親との性行為について「犯罪だとは知らなかった」と話すが、容疑者に脅され、同じ家に住んでいた唯一の兄弟にもその事実を知られまいと努めていたという。
父親をどう思っているかという伯字紙の質問に対して、「何も怒りは感じてない。私はお父さんを許せる」と応え、「お父さんは、もちろん家族として愛している」と語っている。
今後の生活については、「この息子たちと一緒に幸せになりたい。本当の家族を作りたい」と切な願いを込めた。
サンドラさんと容疑者双方の証言により、7人中6人が両者の間でできた子供であることが確認されている。