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貧困層人口の16%に縮小=4年後は8%以下の期待=階級格差も縮まる傾向へ

ニッケイ新聞 2010年6月15日付け

 2003年に5千万人だった貧困者(1人あたり月額収入が137レアル以下の者)は7年間のルーラ大統領政権下で43%の減少を見せ、2990万人へと変化した。2014年までには、その数がさらに現在の半分である1450万人(人口の8%)まで減少できると見込まれている。13日付伯字紙が報じた。
 貧困者減少に伴い、03~09年には3190万人の生活レベルがABCクラスへと向上。同期間中の正規雇用が発足当初の2870万件から1300万件増え、4150万件へと拡大したことも所得向上の原因の一つだ。
 最低賃金は03年から09年の間に53・6%引き上げられ、現在の最低賃金510レアルは、過去最高であったサルネイ政権下の1986年の水準に近い。03年には最賃1つで1・38個だったセスタ・バジカの購買力も、今年は2・23個まで伸びている。
 これらの数字によると、国連が貧困層縮小で掲げた目標が25年間で50%の減少であるのに対し、ブラジルはそれを5年間で成し遂げたことになる。
 また、FGV(ジェットゥリオ・ヴァルガス財団)の経済学者マルセロ・ネリ氏は「70年代の経済の奇跡では貧困格差が広まる一方だったが、今日は国内総生産の拡大に伴い格差は縮まる傾向にある」と分析。
 そういった格差縮小の要因としては、所得向上が67%、社会福祉プログラムの充実が17%、慈善活動の普及が15・5%と考えられている。
 同氏によれば、昨年4月から今年4月にかけて貧困者減少のスピードが10%と速いことに注目し、2014年までにさらに3600万人がABCクラスへと上昇できると予想される。
 こういった国民生活の向上は、建設業界にも表れているようだ。2千人を対象としたダッタ・ポプラール調査によれば、約2200万家族が年内に新居の建設かリフォームを考えているという予測が発表された。
 その内訳は、ABクラスが10%、Cクラスが52%、DEクラスが38%。南東部、南部ではCクラスの割合が高く、北東部ではDEクラスの比重が高い。こういった状況から、地域によっては瓦やセメントの価格上昇や品不足も起こっているようだ。