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サンパウロ州がWHO基準採用へ=大気汚染対策では世界初
ニッケイ新聞 2010年6月15日付け
大気の異常乾燥状態が続いて体調を崩す人も続出しているサンパウロ州で、大気中に浮遊する汚染物質の規制に世界保健機構(WHO)の基準採用を決めたと13日付エスタード紙が報じた。異常乾燥で起きる主な症状は、口が渇く、呼吸困難、眼が痒い、鼻が乾き、のどが痛むなど。
これらの症状の多くは大気中の微小物質により引き起こされるもので、サンパウロ州政府は、WHO基準に従った汚染物質排出規制を導入する事で、現状の改善を図る考えだ。
WHO基準は1990年採用の現行基準より更に厳しく、オゾンは現行の1立方メートルにつき1時間当たり160μg(μgは100万分の1グラム)が8時間で160μgに、1ミリの100分の1の物質は1立方メートルあたり50μgが10μgに改定される他、同千分の2・5の極微小物質も、1立方メートルあたり15μgの新基準導入となる。
同基準はサンパウロ州全体に適用されるものだが、最初は、セントロを中心に深刻な大気汚染が続き、大気汚染が原因と見られる呼吸器系疾患による死者が年間4千人に上っているサンパウロ市を対象として導入される。
サンパウロ市での大気汚染の原因の一つである交通渋滞は、幹線道路での時速が18世紀並みの15キロと報告されており、現在の状態のままでは新基準への適応は不可能だ。
WHOの基準導入は世界でも初めてだというが、同基準を導入して大気清浄効果を挙げるためには、渋滞緩和や公共交通手段充実などの市や州をあげての対策が必須となる。