ニッケイ新聞 2010年6月15日付け
ウオーッ! アアッ!店内には歓声と嗚咽が交互に響き渡る。サッカーW杯南アフリカ大会で14日、日本代表がカメルーンと初戦を行い、同日のテレビ放送時間にはリベルダーデ区の日本食レストラン「ポルケ・シン」に約30人ほどが日本代表の応援に駆けつけ、手に汗握る試合展開に一喜一憂した。
前半の本田圭佑選手の得点を堅守し、1―0で競り勝った。4大会連続の出場となる日本が白星を挙げたのは2002年日韓大会のみ。今回が国外開催のW杯での、記念すべき初勝利となった。
試合では前半40分ごろ、右サイドに入って間もない松井大輔のセンタリングに、本田が落ち着いてあわせ、先制のゴールを決めた。
試合の放送時間は丁度昼どきと重なり、応援団とグローボ、レージTV、SBTらブラジルTV取材陣でごったがえした。前半に得点が決まった瞬間には大歓声がわいたが、後半は一方的にカメルーンに攻め込まれ、きわどい瞬間を迎えるたびに声援、罵声、悲鳴が沸き起こった。
友人と初めて同店を訪れた尾形慶子さん(52歳、主婦)は大のサッカー好き。日本の活躍に熱狂し試合終了まで声を枯らして応援した。「勝つとは思っていなかった。守備、本田がよかった。相手も想像しない、ファンタステックな攻撃で次も勝って欲しい」と興奮冷めやらない様子。
真武理治さん(23)、元山忠史さん(32)、池田成正さん(25)はみなサッカー経験者で今も時おり集まってサッカーに興じる。「今日の日本は良かった。よく守り、少ないチャンスをものにした。カメルーンにはそれがなかった」と元山さん。三人口を揃えて「日本戦はもちろん全部応援します。次のオランダ戦では引き分けでもいい、とにかく予選突破してほしい」と熱い声援を送った。
12年前のフランス大会からテレビ観戦を続ける同店。今後すべての日本戦を放送する予定。