ニッケイ新聞 2010年6月16日付け
ブラジル日本商工会議所(中山立夫会頭)の定例昼食会が5月14日、市内ホテルで開催され、日系初の上議に就任した柳井ジョルジ氏が講演した他、いろいろな報告が行われた。
3分間スピーチでは、最初にJAL南米地区統括支店長からサンパウロ路線運休についてのお知らせが行われ、「一刻も早く戻るよう頑張る所存」との意気込みをのべた。次にK・TOYAMAコミュニケーション社の遠山景孝代表からブラジル政府広報誌として日本特集号を計画しており、「日伯決断の年」をテーマに7月中頃に刊行する予定だと発表され、各企業の協力を依頼した。
さらにヤマト・コメルシアル社が原田悠里コンサートの告知、トマス・ゴンザガ街の丸山宝石店があった場所に新装中の新店(カフェテリア、カレー店、日本酒専門店、茶室)が7月にオープンする件などを話し、「日本文化を紹介していく」とのべた。
新入会員紹介ではフジアルテ・ビアージェンス社の宮崎健次郎氏、SIGMAXコンサルタント社の堤寿彦氏が自己紹介した。島内憲大使は前の週に行われた柳井ジョルジ上議就任式の様子を「日伯関係のために最大限の貢献をすると熱っぽく語っていたのが印象的だった」とのべた。
松田雅信副会頭による歓迎の辞のあと柳井上議の講演になり、まず家族の歴史から語りはじめた。1933年に母が広島から10歳で、父は島根から18歳で高拓生としてパリンチンスに入植し、その後、上議はパラナ州バンデイランテスで生まれた。水利問題の専門家として知られる同上議らしく、アクレ州からペルーを通って太平洋に抜ける水路の利点を熱く論じ、麻州特産の大豆を日本に輸出するルートとして有望だと論じた。「水路運輸は木を切らず、燃料も使わない最もエコロジーな方法」とした。
最後に飯星ワルテル下議が「W杯、五輪と今度はブラジルの番。その準備としてなんとか新幹線導入を実現させたい」とあいさつした。