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メーカーの直販店増加=顧客の需要を直に掴み
ニッケイ新聞 2010年6月23日付け
小売業を通さずに、自社店舗を展開して顧客に直販する製造業者が増えていると、22日付フォーリャ紙が報じた。
直販店とはいえ、販売価格は小売業界流通価格と同じ値段設定にされているケースが多い。メーカー側のこういった動きには小売業界をけし掛ける意図はなく、直販の狙いは顧客に直接接することによる市場調査とブランドの宣伝効果にあるようだ。
ソニーは来週、ブラジルで7番目となる直販店をオープンさせる。初店舗をリオ・グランデ・ド・スル州都ポルト・アレグレに、その後サンパウロ市ショッピング内に店舗を設けてから販売に勢いがついているという。
ソニーは世界ではすでに200以上の直販店を有しており、ブラジル社営業担当のパウロ・ジャエン氏は、「販売の手段は問題ではなく、重要なのは顧客の獲得。販売網での争いではない」とコメント。
また、15州で訪問販売を展開するネスレは8千人の訪問販売員を擁して顧客の好みを掴んでいる一方、ナイキは直販店のほかに21の小売業者と提携を結んでモニタリング調査を行っていく。ナイキ・マーケティング部のチアゴ・ピント氏は、「消費者に近づけば近づくほど、販売戦略は確かなものになる」と話している。