ニッケイ新聞 2010年6月24日付け
サンパウロ、パラナ、マット・グロッソ・ド・スル3州にまたがるパラナ川周辺から7千年前の遺品約14万8千点が掘り起こされた。22日付フォーリャ紙が報じた。
水力発電所建設予定地となっていた地域の発掘調査は、1993年より開始。調査地域は48農園にわたる。UNESP(サンパウロ州立大学)とUFMS(マット・グロッソ・ド・スル連邦大学)の研究員48人によって行われてきた作業は、年内に終了する見込みだ。
現地では、11の棺など、狩猟採集民族が生活していたと思われる痕跡が見つかった。UNESPの考古学者ルス・クンズリ氏は「パラナ川がこの民族の移動を容易なものにしていた」と考えるほか、「同地はグアラニーや他の種族の交流地点となっていた可能性がある」と推測している。
同調査で収集された資料からは、グアラニー族が800~900年以前に同地域に集住していた可能性は極めて低いとされている。
トゥピナンバーやトゥピニキン、グアラニーといった部族がアマゾンから南部奥地や海岸地域へと移動した大きな要因としては、2千年前から進んでいたとされる気候の温暖化が考えられているようだ。