ニッケイ新聞 2010年6月26日付け
W杯第1次リーグ最後となる25日、G組のブラジル対ポルトガル戦は0対0の引分けで終り、ブラジル1位、ポルトガル2位での決勝トーナメント進出を決めた。
今大会の好カードの一つとされたブラジル対ポルトガル戦は、両国とも第2戦までで決勝トーナメント進出が確実となっていたため、ドゥンガ監督にとっては控え選手を試すための絶好のチャンス。
第2戦でイエローカード2枚をもらったカカーの代わりに出場したジュリオ・バチスタ、ロビーニョを休ませるためのニルマール、負傷したエラーノの代わりのダニエウ・アウヴェスを投入して始まった試合は、前半こそ押し気味だったものも後半は相手に切り込まれる機会も増えるなど、決定力に欠け、両チーム無得点で引き分けた。
カカーの代役として、自分がいかに有能か見せるといきまいていたジュリオ・バチスタはパス回しに切れがなく、後半は解説者が「ラミーレスに代えろ」と何度も発言する状態だった。ニルマールは期待通りのスピードを見せたが、彼の速さを活かせるような組立てが出来ずに試合が展開。
クリスチアーノ・ロナウドらが後半に仕掛けた猛攻は守備陣が良く凌いだが、背中を痛め、プロテクターを入れて試合に臨んだジューリオ・セーザルが、2度にわたる好守で今大会1、2といわれる名キーパーぶりを発揮したのは見ものだった。
両チーム共熱が入ったのか、フェリペ・メロが後方からふくらはぎを踏みつけられるようなプレーなど、前半だけで7枚のイエローカードが出る試合となったが、レギュラーと控えの選手の差はやはり大きいといえるのかもしれない。
決勝Tでのブラジルは、28日15時半からH組の2位と対戦。ポルトガルは29日15時半からH組1位と対戦する事になる。エラーノ復帰にはもう少しかかりそうだが、カカーやロビーニョは28日から復帰する。