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フラメンゴ選手に疑惑=元愛人失踪事件に関与か=誘拐、暴力の訴え届かず

ニッケイ新聞 2010年6月30日付け

 「警察に駆け込んだり逃げたりしたら、私や私の家族、友達皆を殺してやると脅されたの」―。今月始めから行方不明となっているエリーザ・シルヴァ・サムジオさん(25)失踪事件では、フラメンゴのゴールキーパー、ブルーノ・フェルナンデス氏(25)の関与が疑われ、28日よりミナス州エスメラルダの同氏農園の家宅捜査が開始された。
 昨年末に行われたリオの新聞取材の中で、同氏の愛人だったエリーザさんは冒頭のように同氏より脅迫を受けていたことを洩らしている。29日付伯字紙が報じた。
 エリーザさんは4日、友人に同氏からの連絡を受けミナスの農園を訪れる予定だと告げて以来、2月に出産した同氏の子供とみられる息子と共に消息が途絶えていた。同氏は、6~10日の間農園に滞在していたことが確認されている。
 24日、ミナス州市警に「同氏とその友人2人がエリーザさんに暴行を加え遺体をどこかに隠し、衣服を燃やした」と匿名での通報が入ったことから捜索活動が行われていた。
 生後4カ月の男児は26日、ベロ・オリゾンテ大都市圏コンタージェンにあるブルーノ氏の妻ダイアーネ・デ・ソウザ氏(23)の友人宅で発見された。友人はダイアーネ氏の指示で男児を隠していた。
 警察の調べに対し、ダイアーネ氏はエリーザさんがリオで男児を置き去りにしたために預かったなどと矛盾した証言をしている。一度逮捕されたが、すぐに釈放された。
 エリーザさんとブルーノ氏は2009年始めに風俗店で知り合ってから交際を始めたとされ、昨年10月にエリーザさんは同氏による誘拐や暴力、脅迫を訴えていた。現在、男児の父親を特定するDNA鑑定が進められている。
 エリーザさんの家族によれば、生後5カ月で母に見捨てられたトラウマを持つエリーザさんが自身の息子を見捨てて失踪するはずはなかった。父ルイス・カルロス・サムジオ氏は「私はブルーノ氏が娘の殺害を指揮したと確信している」とコメントしている。
 一方、疑惑が浮上したブルーノ氏に対し、フラメンゴ側は28日、事件捜査協力のため当面の活動停止を指示。チームの仲間には、自分には責められるところはないと話し、「こんな状況には笑ってしまうよ」と不満を洩らしたという。