リオ州知事選の行方決まる?=出馬困難なガロチーニョ=選挙裁判所が上告を棄却=一次決着とカブラル陣営
ニッケイ新聞 2010年7月1日付け
かつては同じ政党に属した僚友同士の戦いになるかとも見られていたリオ州知事選挙が、アントニー・ガロチーニョ元知事の被選挙権停止により一次投票で決着がつく可能性が強まったと6月29、30日付伯字紙が報じた。セルジオ・カブラウ現知事は事前の支持率調査でも優位に立っていたが、元知事不出馬となれば元知事支持者の票も大半はカブラウ支持に回ると見られている。
6月29日付伯字紙によると、1999~2002年にリオ州知事を務め、今回の統一選でも知事選出馬を表明していた共和党(PR)のガロチーニョ氏に対し、リオ州の地方選挙裁判所が28日、2011年までの被選挙権停止を確認したという。
ガロチーニョ氏の被選挙権停止は、5月の選挙裁判決で既に決まっていた事だが、同判決を不服とする同氏が上告。今回の判決はこの上告を棄却した形となるが、同氏の弁護士らは、29日にブラジリアに赴き、最後の最後まで出馬実現にかけるつもりだという。
5月の判決は、同氏妻で元リオ知事のロザンジェラ(通称ロジーニャ)・ガロチーニョ氏がカンポス・ドス・ゴイタカゼス市長選に出馬した2008年に、同氏が関与するラジオ局や新聞による前倒し宣伝を行った事と、その際の資金の流れを問われたものだ。
同ラジオ局アナウンサー時代に〃ガロチーニョ〃の愛称を得た同氏の本名は、アントニー・ウィリアン・マテウス・デ・オリヴェイラ。カンポス市市長などを経てリオ州知事となった同氏は、国連でも評価されたデレガシア・レガウなどでその行政手腕を認められる一方、知事時代の警官大量罷免や公金流用、2006年の大統領選出馬の意向表明時(最終的には取り消してルーラ氏に協力)の資金調達などで、公金横領や職権乱用の罪に問われている。
ガロチーニョ氏の被選挙権が2011年まで停止されて今回の選挙には出馬できないとなれば、リオ州知事選挙は、民主運動党(PMDB)所属で現職のカブラウ知事と緑の党(PV)のフェルナンド・ガベイラ氏の事実上の一騎打ちとなると見られており、カブラウ陣営は一次投票で決着との予想を確信にまで高めたようだ。
カブラウ知事はロジーニャ氏の後任。2003~09年はPMDBに籍を置いたがカブラウ氏との確執でPR移籍という経緯を持つガロチーニョ氏は、選挙裁判所の上告棄却は自分自身の選挙出馬を阻止するために同知事らが圧力をかけた結果だとの批判をブログに掲載しているという。
各党が統一選立候補者を指名する党大会開催期間は6月30日で終了となり、選挙裁判所への立候補登録も7月5日で打ち切られる。