ニッケイ新聞 2010年7月1日付け
財布を家に忘れても、携帯電話を忘れる人はいない―。ブラジルで近年急激に増えている携帯電話利用だが、サッカーW杯の盛り上がりに合わせ、携帯電話と連携させたキャンペーンを組んで宣伝活動の一環とする企業も出ていると6月30日付フォーリャ紙が報じた。
ブラジル代表(セレソン)公式後援者である航空会社TAMやスーパーマーケット・エストラが電話会社と協力して行っているのは、サッカーの試合結果を受信できる、選手のプロフィールにアクセスできるといった携帯電話を利用した無料のキャンペーン。
こういった動きは、日々の生活の中での携帯電話の利用拡大を狙ったもので、TAMでは「Paixao por Torcer」、エストラでは「Torcida Extra」といった独自のW杯キャンペーンを展開している。
業界関係者は、スマートフォンの導入で携帯電話市場と連動した活動はさらに拡大すると見込んでいる。世界における同種サービスの今年の売上は68億ドル。2013年の年間売上は295億ドルに上るという予測も出ている。
しかし、実際に携帯電話サービスを自社の宣伝活動に取込んでいる企業はまだ少数派。昨年11月から今年2月にかけて行われた調査では、同種の戦略を導入しているのは大手500社のうち14%に過ぎなかった。