ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | セーラの副候補遂に決まる=リオ出身のDEM若手=39歳のインジオ・ダ・コスタ=「新世代の政治家」と称讃

セーラの副候補遂に決まる=リオ出身のDEM若手=39歳のインジオ・ダ・コスタ=「新世代の政治家」と称讃

ニッケイ新聞 2010年7月2日付け

 6月30日開催の民主党(DEM)党大会で、民主社会党(PSDB)セーラ氏の副大統領候補にリオ州のインジオ・ダ・コスタ下議(39)が指名された事を1日付伯字紙が一斉に報じた。これにより、PSDBが副候補にパラナ州のアウヴァロ・ジアス上議選出との情報が流れた時から表面化したDEMとの確執も一件落着となり、大統領選も新しい段階に入る事になる。

 PSDBが副大統領候補にアウヴァロ・ジアス上議選出との情報が流れたのは6月25日だが、その直後から同案拒否の姿勢を見せたDEM。PSDBが自党候補にこだわるなら大統領選での選挙協力撤回との申入れが、DEMからの候補受入れを決定付けた。
 とはいえ、PSDBがアウヴァロ氏擁立を諦めたのは、同氏の兄弟で民主労働者党(PDT)のオズマール・ジアス氏が29日夜、労働者党(PT)や民主運動党(PMDB)と共闘を組んでパラナ州知事選出馬を決めた事がきっかけだ。
 オズマール氏の知事選出馬でPDT取込み失敗が判明した直後の30日未明、ブラジリアにいたDEM党首のロドリゴ・マイア下議とカサビサンパウロ市長はサンパウロ市に飛び、セーラ氏との会談に入った。
 アエシオ・ネーヴェス元ミナス州知事も参加した会談は5時20分に終了。この時点でアウヴァロ指名はないとの確証を得たDEMは、10時開会の党大会をすぐに休会させ、セーラ氏との副候補選出作業を始めた。
 DEM側は、バイア州ジョゼ・カルロス・アレルイア下議、ミナス州カルロス・メレス下議、パラー州ヴァレアルシア・ピーレス・フランコ副党首の名を挙げたが、セーラ氏は国内3位の票田を有するリオのインジオ・ダ・コスタ下議を指名。再開後のDEM党大会での同氏指名承認と、両党の選挙協力再確認は16時20分の事だった。
 コスタ下議は1993年、現DEM党首の父で時のリオ市長セーザル・マイア氏の秘書に就任。2001年から同市行政局長を務めた後、市議3期を経て2007年から下議。先日裁可されたフィッシャ・リンパ法案の下院審議の際、法案検討、報告の任を負ったのが同氏だ。
 30日夜、DEM党大会終了前にブラジリアに駆けつけたセーラ氏は、同下議は「新世代の政治家」で「政界汚職払拭のための法案成立に貢献」と誉めそやし、選挙戦突入前の新しい息吹到来を喜ぶ姿勢を示した。
 PMDBなどと共闘を組むPTのジルマ氏が大統領選のテレビ宣伝で10分30秒を確保した一方、社会大衆党、ブラジル労働党などとの共闘で4分54秒を確保したのみだったセーラ氏には、DEMとの共闘で得た2分17秒は大きい。リオ州の票を狙える清廉な若手政治家が副と決まった今、選挙参謀達の腕の冴えが選挙戦を左右する。