ニッケイ新聞 2010年7月2日付け
サンパウロ州カンポス・ド・ジョルドンでは、今週末の3日より8月1日までの1カ月間、「第41回冬の国際音楽祭」が開催される。同祭は毎年規模が拡大されており、今年のコンサートは、昨年までの平均40公演からほぼ倍増の83公演で、うち11公演はサンパウロ市内で行われる予定。無料で楽しめるコンサートも数多く用意されたようだ。
今年のテーマは「音楽を通した対話」。同祭実行委員会のパウロ・ズーベンさんは「全ての音楽は演奏者や聞き手の皆さん一人一人にとっての文化、土地、時代、伝統を超えた対話である」と紹介する。プログラムには、ルネッサンス音楽やバロック音楽といった古典から現代音楽まで幅広く盛り込まれた。
サンパウロ州交響楽団(OSESP)オーケストラやカルテットArdittiの公演のほか、世界各国から来演するヴァイオリン奏者のジレス・アパピ氏やピアニストのマリア・ジョアン・ピーレスさん、チェロ奏者アントーニオ・メーゼス氏、オーボエ奏者アルブレヒト・マイヤー氏らのソロ演奏にも期待がかかる。
同祭期間中には、若い音楽家達を対象としたワークショップや講演会も行われる。1970年の同祭開始当初は演奏会だけの実施だったが、73年からはマエストロ(指揮者)のエレアザル・デ・カルヴァーリョ氏の提唱を受け、ベテラン奏者や指揮者と若い世代の音楽家の交流や育成の場ともされてきた。
こういった若い世代には毎年特別な参加枠が設けられており、今年は1千人以上の応募から170人の若者が選ばれた。彼らはこの期間中にオーケストラを結成し、同祭を締め括るコンサートの中で演奏を行う予定だ。
また、今年はショパン生誕200周年を記念しショパンの故郷ポーランドからピアニストのスビグニウ・ラウボ氏が招待されているほか、シューマン生誕200周年を祝ってブラジル人ピアニストのネルソン・フレイレ氏、アルナルド・コーヘン氏らも公演を行う。
同祭のプログラム・詳細は、公式サイト(www.festivalcamposdojordao.org.br)まで。チッケット購入は、サイト上でも受け付けている。