ニッケイ新聞 2010年7月8日付け
サンパウロ、リオでは環境に優しい水素燃料エンジンのバスが間もなく運行を開始する。2014年のブラジルでのサッカーW杯、16年オリンピック開催での利用にも期待がかかる。7日付伯字紙が報じた。
水素燃料のバスは、一般のバスと同様に運行できる上、大気汚染につながる排気ガスや温室効果ガスの排出を避けられるのが特徴。
リオデジャネイロ連邦大学で開発されたそのバスは、今月から同大学キャンパス内で運行を開始。学生や教授、職員らの移動でテスト走行後、リオ市南部を循環する公共バスとして利用される予定だ。
サンパウロの水素燃料バスは、現在10トン以上の重さにも耐えられるかの試行段階で、今後3カ月以内に一般利用者向けに運行を開始する予定。11年までに、国内でさらにもう3台の運行が計画されている。
水素燃料バスの利用はサンパウロ市では10年以上も前から計画されていたもので、今回の導入も決して時期が早いとはいえないようだ。専門家によれば、大手メーカーはみな独自の水素燃料エンジンを開発、商用化の段階にあり、生産コストの削減が課題となっている。