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ソロカバに「タダオ・ヨシダ通り」=YKK創業者を市が顕彰=日本から社長ら迎え除幕式

ニッケイ新聞 2010年7月9日付け

 YKK株式会社の創業者、故吉田忠雄氏の名を冠した「タダオ・ヨシダ通り」の除幕式が6日、ソロカバ市内の同通り(Acesso pela Av. Camilo Julio a portaria do Condominio Ibiti do Paco)で行われた。日本から同氏の長男でYKK株式会社代表取締役社長の吉田忠裕氏が来伯したほか、小林雅彦在サンパウロ首席領事、ビトール・リッピ同市市長らを始め同市関係者、YKK職員らを含む約250人が集まり、盛大に祝った。

 現在、世界71カ国・地域に114社のグループ会社があり、3万9千人の社員を抱えるYKKは、1975年に最初の工場が創業して以来同地とのゆかりが深い。現在は市内にファスナー、アルミサッシ、工機などを生産する3つの工場があり、750人の従業員が働く。雇用、納税の面で同市に大きく貢献している。
 今回、創業者の吉田忠雄氏の名が付いた道路は、今年3月から始まった同市の都市計画の一環として舗装されたもの。開通はまだしておらず現在主要道路との接続に向け工事が進んでいる。
 33キロにも及ぶ3本の環状道路を結び交通の円滑化を図るもので、完成後には従来の半分程の時間で東西南北を結べるようになる。完成の予定は12年末頃だという。
 当日午前11時半過ぎに敬子夫人、リッピ市長らと共に式典会場に到着した吉田社長は市長、谷川マリオ同市経済発展局局長らの案内の下、市内を見渡せる高台にあるタダオ・ヨシダ通りを歩いた。
 会場では、吉田夫妻、リッピ夫妻、小林首席領事、フランシスコ・ヤビク市議、石川清治YKKブラジル社アドバイザー、河本眞一同社会長(兼)社長、藤川敏則南米統括工場長らが壇上に並んだ。
 ヤビク市議、小林首席領事に続き、吉田社長が関係者への感謝の言葉、創業者の理念、展望と共に祝辞を述べた。
 吉田社長からリッピ市長へ車椅子5台、緊急用毛布千枚を贈呈。また同市が進める緑化計画への協力として500本の植樹を行う調印が行われた。
 リッピ市長は「YKKがここに来てくれて他の企業の誘致も進んだ。ソロカバ市の経済を良くしてくれ、社会貢献も行ってくれるYKKに感謝したい」と称賛の言葉を送った。最後に同市教育局による児童コーラス、オーケストラの演奏で式典を締め括った。
 式典後には会場近くでイッぺー、パウ・ブラジル、パイネイラの植樹のセレモニーも行われた。
 ニッケイ新聞の取材に対して吉田社長は、「思っていたより大きな道で、ソロカバ市、そしてサンパウロの発展に関わる重要なものだと聞きました。(父親の名前が付くのは)光栄です。また、市民の方にも発音しやすい名前だそうなので安心しました」と満足そうに話した。