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南アフリカからブラジルへ=14年W杯への動き具体化=一次リーグは4ゾーンで=サンパウロ州の会場確定はいつ?

ニッケイ新聞 2010年7月13日付け

 サッカーの祭典W杯は11日で終りを告げたが、南アフリカのヨハネスブルグでは8日、2014年に開催されるブラジルW杯エンブレム発表式典が行われた。3本の手が交わってW杯トロフィーを形づくり、「インスピレーション」と名づけられたデザインは、公募25作品の中から選ばれたもので、歓迎の意味合いが込められているという。

 9日付伯字紙などによると、ルーラ大統領や国際サッカー連盟(FIFA)ブラッター会長らが出席した式典は、サンバやボサ・ノヴァなど、ブラジル色を打ち出したもので、往年の名選手や政界関係者らも列席した。
 ブラジルサッカー連盟(CBF)のリカルド・テイシェイラ会長に続いて壇上に立ったブラッター会長は、英語とスペイン語にポルトガル語も織り混ぜて挨拶。ボサ・ノヴァ演奏などの後、ルーラ大統領が壇上に立った。
 2010年と14年のW杯実現は1974~98年にFIFA会長を務めたジョアン・アヴェランジェ名誉会長の尽力のおかげと語って喝采を浴びた大統領は、ロマーリオ、カフー、現欧州サッカー協会連盟会長ミシュル・プラチニ、現ドイツサッカー連盟副会長ベッケンバウアーなど往年の名選手を前に挨拶。
 今年が政権最後の年となる大統領は、14年W杯は最良の大会とし、経費の流れもインターネットなどで公開し、透明度の高い大会運営とすると公約した。
 南アでは空港が飽和状態となり観戦者が試合会場に移動しきれないなどの問題も起きた事を反省材料に、移動を最小限とするため、国内を4つのゾーンに分けて一次リーグの試合を行うなどの具体案も出ている。
 想定された第1ゾーンはクリチバ、ポルト・アレグレ、サンパウロ市、第2ゾーンはリオ、ベロ・オリゾンテ、サルバドール、第3ゾーンはレシフェ、フォルタレーザ、ナタール、第4ゾーンはクイアバ、マナウス、ブラジリアだが、問題なのは競技場が未定のサンパウロ市だ。
 2007年には開会式をサンパウロ市、報道関係基地をリオとの事前合意もできていたが、モルンビーが会場リストから外されたサンパウロ市では、19、20日にサンパウロ州知事、サンパウロ市長とCBF関係者らが改めて会合を行う予定だ。カサビ市長が南アで提言したピリトゥーバ案は不確定要素も大きく、会合ではモルンビーやパレストラ・イタリア拡張案が再び出てくる可能性も強い。
 サンパウロ市会場が確保できない場合には開会式招致をと言い始めたのはフォルタレーザとサルバドール。サンパウロ市と共に開会式開催の名乗りを上げていたベロ・オリゾンテやブラジリア、リオも可能性を残している。
 12日付伯字紙は、開催12都市に対しては会場整備などのための借財枠拡大を認めるとのルーラ大統領の意向も報じているが、南アW杯に伴う景況は一時的なものとの批判が繰返されないための工夫も必要だろう。