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サンパウロ市セーで警備厳しく=売春婦らも追い出しへ

ニッケイ新聞 2010年7月13日付け

 サンパウロ市セー区では市民警備員(GCM)が露天商や浮浪者だけでなく、通りで客引きを行う売春婦の取り締りにも動き始めた。12日付エスタード紙が報じた。
 セー大聖堂の裏手は、1960年代より売春婦の溜まり場として知られてきた。同区の商業者によれば、年配の女性が数人だった90年代までとはうって変わり、現在では毎晩30人以上もの若い女性が客を待っているという。
 モトボーイから裁判官まで多様な客を相手にするナジーネさんは、同区で15年間にわたって売春行為を続けてきたが、取り締りを受けたのは今回が初めてだと驚く。
 より多くの収益を得られることから、風俗店で働くのではなく通りで客引きをすることを選んだヴァネッサさんも、「泥棒ではないのに、どうして逃げなければいけないのか。他に行く場所がないのに」と、不安を語っている。
 今年5月には、同様に同区にたむろする浮浪者が追い出されたが、行き場を失った浮浪者は近隣の区へと移動しただけだったようだ。今回も、取り締りだけでは根本的な解決には至らないという懸念が広がっている。