ニッケイ新聞 2010年7月14日付け
【既報関連】統一選への立候補締め切り後の報道でも予想された通り、検察当局がフィッシャ・スージャの候補者洗い出しを行い、立候補取り消しを求める手続きに入ったと13日付伯字紙が報じた。12日提出のリストはすべての対象者をカバーしたものではなく、全国2万余りの立候補者のうち、約400人は立候補取り消しとなる可能性があるようだ。
6月4日に大統領裁可を受けたフィッシャ・リンパ法が今回の統一選挙から適用されると決まった時点から、候補者達の経歴や資産状況などの調査を開始した選挙裁判所や検察当局。12日からは立候補資格の有無が疑われる候補者の具体的なリスト提出も始まった。
13日付伯字紙の内容には、少なくとも137人とのフォーリャ紙や、全国で371人が対象とのエスタード紙の様に数字の差があるものの、共通しているのはこの数字は拡大する可能性があるという事だ。
これは、立候補者の官報搭載が8日までであったため、立候補者の資格の有無再検討要請は14日まで可能であるため。
例えば、12日の午後提出され、アントニー・ガロチーニョ元リオ州知事ら38人の名前を挙げたリオ州選挙検察局のリストは対象者の一部のみの記載とされ、今後更に要請数が増える筈だ。
また、12日に621人の候補者中13%余に相当する85人(エスタード紙では83人)のリスト提出のマラニョン州も、対象者が増える可能性を残す州で、リスト記載は、ジャクソン・ラゴ元知事や再選を目指すロゼアナ・サルネイ現知事の副候補となったワシントン・ルイス氏など。リスト中43人はフィッシャ・リンパ法適用を受ける例だという。
エスタード紙には立候補資格に疑問がある候補者はミナス州だけで204人との記述もあるが、フィッシャ・リンパ法では再選資格を失わないために辞任した政治家も出馬資格を失うため、検察と司法、会計監査院などが連携した形のリストに含まれる候補者の数も増えるといえよう。
もっとも、今回の選挙からフィッシャ・リンパ法が適用されない場合の立候補者は1千人超と見ていたマラニョン州での最終立候補者数は621人との報告は、同法適用で出馬を見合わせた政治家もいる事の表れだ。
ペンチ・フィーノと呼ばれる洗い出し作業でふるい落とされる事を嫌って出馬を諦めた政治家がいる一方、出馬さえ表明すれば結果オーライで当選可と考えた政治家もいた事を示すリスト提出。汚職撲滅や政界浄化を願う市民の声を受けて成立したフィッシャ・リンパ法を実効性のあるものにするため迅速に行動したと胸を張る検察局当事者らの努力の実は、選挙裁判所や最高裁判事らの手に委ねられる事になる。