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離婚手続きを簡略化=37年連れ添い50分で決別も
ニッケイ新聞 2010年7月17日付け
国会は13日、双方の合意を得た離婚に関する手続きの簡略化を図る連邦令補足案(PEC)を発布。同法案は14日から施行された。14日付伯字紙が報じた。
従来は法的な手続きを経た申請後12カ月待つ、又は2年間以上別居していることを立証する手続きが必要とされていたが、新たな規定ではこれらの過程が省かれ、短時間で離婚が成立される。
今までのように登記所での離婚届署名に立ち合い人を同行させる必要がなくなったほか、離婚の原因がどちらにあるかといった監査も入らないとされる。新たな規定は、未成年の子供を持たない夫婦に対して適用されており、離婚後の再婚手続きを早められるといった利点もあるようだ。
離婚を待ち望む結婚歴28年のマリア・ジョゼ・オリベイラさん(50)は「同意の上で離婚を決めているのに、どうして法的な手続きのために1年も待たされなければならないのか」と新規定に賛成を示す。
37年間の結婚生活に終止符を打ったのはネルソン・アルメイダさん(59)とスエリ・カレガリ・サンシスさん(56)。2人は15日にサンパウロ市内の登記所へ行き、ほんの50分で離婚手続きを完了させた。「互いの生活をこれ以上邪魔したくはなかった」と離婚の動機を語る2人は、手続きの早さに満足する。
一方で、この規定の制定には反対意見も挙がっている。カトリックのドン・アルド・ジ・シロ・パゴット大司教は、「離婚が簡単にできるものとなり、家族がバラバラになるケースが増える」と懸念し、「必要なのは離婚を簡単にすることではなく、調停や和解を促すことだ」としている。