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犯罪被害者は泣き寝入り=サンパウロ市でさえ5%の検挙率

ニッケイ新聞 2010年7月17日付け

 サンパウロ市で起きた犯罪での犯人検挙率は平均で5・2%と16日付エスタード紙が報じた。
 州都間では最も検挙率が高いサンパウロ市だが、それでも、強姦で41%、殺人で32%。強盗では4・82%、置き引きなどの窃盗では3・1%と低くなり、被害届けを出さないケースも多い事を考えれば、被害者の多くは泣き寝入りの状況だ。
 現行犯逮捕や顔見知りによる犯行で検挙に至ったケースがあるためかろうじて保たれているという前記検挙率は、04~08年の殺人事件は1千件足らずで検挙率82%だったフランスや、07年の殺人事件検挙率82%の英国など、先進諸国のそれに比べるとまだまだ低い。
 警察の捜査力欠如と批判の声が挙がる一方、被害に遭っても届出ない人が多く、民間の協力も得にくいのが捜査官の泣き所。仕返しが怖くて知らぬふりをする例や、警察に届けたり裁判に出席するのは時間の無駄と考える人さえいるという現実が、事件解決の遅れや泣き寝入りを増やし、迷宮入りさせる原因の一つとなっているようだ。