ニッケイ新聞 2010年7月20日付け
本日から新しい連載小説『怪盗ランピオン』が始まる。北東伯の有名なカンガセイロ(盗賊団)のボス、ランピオンことビルグリーノ・フェレイラ・ダ・シルバの生涯を描いたもので、地元では義賊として今も敬愛される伝説上の人物になっている。
筆者は、ニッケイ新聞の前身である日伯毎日新聞やサンパウロ新聞で長年、翻訳をしていた河井美津子さん(故人)。日伯の伝説をそれぞれの言葉に翻訳して約30冊も出版するなど、両国の文学交流に貢献した。ブラジル児童文学アカデミー会員。
本書には、河井さんが2年間にわたって図書館に通って調べて書き上げた独自のランピオン像が描かれており、97年に日毎叢書企画出版から出版された。野口浩(故人)代表の許可を生前にもらい、掲載の準備を進めていた。
コロニア小説とは一風違った内容だが、珍しい北東伯の民俗を知りつつ、ブラジル的義賊のあり方を知るのに絶好の内容といえそうだ。