ニッケイ新聞 2010年7月21日付け
【サンパウロ共同】日本とブラジル両国政府は19日、アフリカへの地上デジタル放送の日本方式普及に向け、南部アフリカ開発共同体(SADC)加盟国の放送政策当局者らをサンパウロに招き、初の合同セミナーを開いた。SADCは9月にザンビアで通信担当相会合を開いて規格を決める方針。
SADCは、アフリカ南部の経済的統合を目指し、南アフリカなど有力国が加盟。ここでの決定はアフリカ全体の動向に影響を及ぼすとみられる。欧州連合(EU)も最近、SADC関係者にEU規格の普及を訴えたばかりで、日欧による地デジ争奪戦が激化しつつある。
セミナーにはSADC加盟15カ国のうち9カ国の当局者らを含む計約40人が参加。日本側は、日本方式は電波障害などに強く、携帯電話向け地デジ放送(ワンセグ)を無料で受信できるなどの利点を強調。送信設備への投資も少なくて済むと説明した。
SADCのカオロ事務局次長は「携帯端末でテレビを受信できれば(遠隔地域への)教育の機会提供や災害情報の早期伝達が可能になる」と期待を示した。