ニッケイ新聞 2010年7月22日付け
国民所得が上昇するにつれ、国民の生活様式にも少しずつ変化が出てきているようだ。所得層Cクラス(一家族あたり3~10最低賃金)では買い物や旅行に収入の多くを費やすようになり、高所得者層が多く住む地方都市では高級ブティック街が現れ始めている。18日付伯字紙がその新たな傾向を取り上げた。
ポンチ・エストラテジア・コンサルタント会社がサンパウロ市内の9区域で行った生活調査では、Cクラスの消費者は収入の30~60%を買い物や外出費用に当てていることが判明。ブランド品の購入や外見の手入れにも金を費やしていることから、その生活スタイルは〃贅沢〃になってきたとみなされているようだ。
所得層を分けずに行われた昨年の企業経営院アンケートでは、贅沢について8割の人が「質の高い品物を持つこと」と回答しているが、今回行われたCクラスを対象にした調査では、その他にも「外見を整える」「他人の注目を得ようとする」ことといった意見が出、高級店への出入りやおしゃれを物差しとしているようだ。
贅沢品として挙げられたブランドは、ナイキやアディダス、ルイ・ヴィトン。自動車ではヒュンダイLx35やメルセデス・ベンツ、行ってみたい旅行先にはフェルナンド・デ・ノローニャ、フロリアノーポリス、ディズニー・ランドなどの回答が多かった。
その一方、都市部で仕事を持ち、1人あたり10最低賃金以上の収入がある高所得者層などが住んでいる地方都市で、新たにブランドなど高級品の需要が高まっていることも注目できる。
サンパウロ州のリベイロン・プレットやサンジョゼ・ド・リオ・プレット、ジュンジアイーといった都市では、サンパウロ市の高級ブティック街オスカー・フレイレ街さながらのブランド街が出現している。
市政府がそういった動きに協力している地域もあり、交通の便が良く安全性が高いオスカー・フレイレ街をモデルにしながら、街の新たな一面の形成に取り組んでいるようだ。
前記3都市では、2014年のショッピング・イグアテミ開設など、大型ショッピングの進出も予定されている。