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アマゾンの森林伐採減少=10カ月でサンパウロ市規模消滅だが

ニッケイ新聞 2010年7月22日付け

 2009年8月から今年5月までの法定アマゾンの森林伐採は1567平方キロで、前年同期比47%の減少と21日付エスタード紙が報じた。
 国立宇宙調査研究院(Inpe)発表の数字は50ヘクタール以上の伐採をキャッチする衛星写真解析によるもので、法定アマソン内で働く監視員向け資料。環境省報告に使う正規の統計ではないが、史上最高といわれた09年の42%減少を上回る数字は関係者を喜ばせている。
 5月だけを見ると前年同月比11・4%の減少で、伐採最多は引き続きマット・グロッソ州。パラー州がそれに続く。
 関係者によると、雨季が終了後の6月、7月は再び伐採が増える可能性が強く、10カ月間の伐採面積はサンパウロ市を飲み込んでもまだ足りない。
 それでも、1995年の2万9059平方キロや、2004年の2万7772平方キロ、2003年の2万5396平方キロなど、2万平方キロを超えた時期から見れば激減。また、選挙年は伐採が増える事を懸念していた政府関係者には予想外の数字で、2007年8月~08年7月の伐採量約1万3千平方キロ、2008年8月~09年7月の伐採量7464平方キロ(サンパウロ市の約5倍)からみても伐採減少は順調といえそうだ。
 ただ、専門家からは、2005年以降は大規模な伐採が減った一方、衛星写真に現れないような小規模伐採が増えているとの指摘もある。国際社会の圧力や啓蒙活動、不法伐採や不法製材の取締り、土地登記推進などの努力奏功と手放しで喜ぶわけにはいかない様だ。