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地下経済が6千億レ=亜国PIBと並ぶ規模に

ニッケイ新聞 2010年7月23日付け

 ブラジル経済研究所(Ibre―FGV)によって行われた調査で、国内の地下経済(政府統計や税務当局で実態を捕捉されない経済活動)が年間5784億レアルに及び、アルゼンチンの国内総生産(PIB)と並ぶ規模となることが明らかにされた。22日付エスタード紙が報じた。
 サンパウロ市の25・デ・マルソ街で見られるような露天商など、正式な登録がなされないままに行われる経済活動により税金の未納入が生じ、その総額は2千億レアルにものぼると推定されている。
 一方で、今回の調査ではその地下経済の規模はブラジルPIB全体の18・4%にあたると発表され、21%だった2003年と比較すると減少傾向にあることも示された。
 調査にあたったフェルナンド・オランダ・バルボーザ・フィーリョ博士は、その理由としてPIB全体の成長のほか、労働市場での正規雇用の増加や貸付制度の普及などを挙げている。同氏は、今年末にはその数字は18%まで下がるだろうと予測している。
 しかし、ラ米諸国ではそのPIBに対する地下経済の割合が30%に達する国もあるが、先進諸国が加盟する経済開発協力機構(OCDE)では10%前後にとどまっていることを考慮すれば、ブラジルは依然として高い数値であるとされる。