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日本語センター=第25回汎米研修が開講=ブラジル、南北米から27人=日本語教育活性化に意欲

ニッケイ新聞 2010年7月23日付け

 ブラジル日本語センター(谷広海理事長)は19日夜、同センターで「第25回汎米日本語教師合同研修会」の開講式を行った。JICA(国際協力機構)後援。芳賀克彦JICA所長、国際交流基金サンパウロ日本文化センターの内山直明所長、日語センター副理事長らが出席した。
 今回10日間の研修に望むのは国内から15人、カナダから2人、ドミニカ共和国、ベネズエラ、ボリビア、ペルー、パラグアイ各1人、アルゼンチン5人の27人。教案の書き方から音声指導法など授業を行う上でのテクニックを学ぶ。
 研修生同士の話し合いで進めるワークショップも設けられており、「気づき」というテーマのもと10人の講師から、受け身で学ぶのではなく、研修生自らが考え学べる場となっている。
 開講式で谷理事長は自身の経験を語りながら「夢を育てて下さい。日本語教育の将来は皆さんの肩にかかっている」と激励。芳賀所長は、「各国の人と交流を深めながら日本語教師としてのスキルを身につけてほしい」とエールを送った。
 内山所長は、「まずは自らが教える言語を愛することが大切」と話し、「生徒が楽しんで豊かに学習できるような教え方を考えていただきたい」と期待を込めた。
 アルゼンチンから訪れた与那嶺エリカさん(19、三世)は「日系社会の役に立つ人になりたい」との思いで参加。USPで日本語を専攻する平田智恵美さん(23、四世)も「学ぶ楽しさを伝えられる先生を目指しています」と目標を胸にしていた。
 はるばるドミニカ共和国から参加したのは犬山ジャキオミさん(18、二世)。教師が2人しかいないラ・ベーガ日系日本語学校で教師を務める犬山さんは「もっと上手に教えてあげられるようになりたい」と希望する。
 ベネズエラから訪れた児玉リカルドさん(46、三世)は「このままでは日本語教師がいなくなる」と、強い危機感を持って参加を決めたそう。カラカス日本語教室の壇上に立つ児玉さんだが、実はベネズエラ日本人会の副会長。「教育の技術やノウハウを持ち帰り、教師の育成にも役立てたい」と、同地日語教育の活性化を掲げた。