景気減速は一部の業界か=大量在庫抱える車・家電=第3四半期回復の意見も=強気の姿勢貫く製造業
ニッケイ新聞 2010年7月24日付け
景気減速の不安は一部の業界だけの話なのか――。ブラジル経済に景気減速の兆候がみられることを公にみとめた形になった先日の基本金利0・50%利上げ(0・75%の予測)には、まだ矛盾点があるとの報道が23日付けエスタード紙で掲載された。大量の在庫を抱えた自動車業界や家電業界の実態の分析と共に、建築業界では人手不足が深刻な状況で全体的な失業率も低下して労働手帳受給者が増えているため、消費意欲は第3四半期には回復するとの考え方も紹介する。
6月時点の自動車在庫(31万8839台)は、金融危機直後の08年12月(30万5千台)より多いという現実は、何を意味するのか。
08年12月時点では2カ月分の販売台数に相当する台数だったが、今年6月のそれは台数こそ多いが、実は36日分の在庫にすぎない。
これは白物家電業界も同様で、正式な在庫統計は公表されていないが、フォゴン(コンロ)、冷蔵庫、洗濯機などの在庫が増加している。
今年前半の販売実績は、昨年同期比で30~35%も多い。IPI減税終了前の駆け込み需要が集中した結果だ。ところがIPI減税が終了したため、6月には販売が10%も減少した。製造業によっては、さっそく従業員に休暇を出しているところもあるが、今のところ退職させる話には至っていない。今後数カ月間の間に、消費が戻るとの見込みを各社が持っているからだ。またW杯の影響で、購入意欲がテレビに集約され、他の家電がその分、減少したとの分析もある。
同紙によれば、全伯自動車製造協会のクレドルビノ・ベリニ会長も「在庫台数は心配する水準にはまだ達していない」との認識をしめているが、専門家の意見では通常なら在庫は25日分ていどだという。
むしろ、昨年いっぱいから今年3月までのIPI減税期間の方が特需であり、「一種の消費バブル状態だった」とMサントス自動車販売店のアイルトン・フォンチス氏は見ており、今が本来の状態とする。
在庫増加に関わらず、フィアット、ワーゲンなどは製造台数を減らさず、強気の姿勢を貫いている。というのも22日までの今月の販売実績は、6月の同期比で12%増、昨年7月比で4・3%増だからだ。
白物家電も今年の販売実績は、昨年比で7~8%増になると推測されている。
また建築業界ではセメントなどの建築資材をどんどん輸入しているが、それを陸揚げした後に輸送するトラックがタイヤ不足でまかない切れない状態が続いている。
失業率も6月に7%という、記録をとり始めた02年以来最低という状態を達成した。労働者の平均所得も向上しており、MBアソシアードス社の経済専門家セルジオ・バーレ氏は「第3四半期には景気は回復する」と見ている。減速しても成長は続ける、との意見が大半を占めているようだ。