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短冊に願いと感謝込め=リベルダーデ=32回目の仙台七夕祭り=秋晴れの東洋街彩る

ニッケイ新聞 2010年7月27日付け

 宮城県人会(中沢宏一会長)、リベルダーデ文化援護協会(ACAL=池崎博文会長)主催による第32回サンパウロ仙台七夕祭りが24、25両日、リベルダーデ広場を中心に開催された。快晴に恵まれた今年の七夕。ガルボン・ブエノ街とエストゥダンテ街には笹竹、十数メートルになる竹73本に、200個に上る華やかな七夕飾りが掛けられ、笹の葉には来場者が願いを込めた短冊が結ばれた。華やぐ東洋人街は大勢の来場者で賑わい、広場に設置された特設舞台では七夕故郷音頭、阿波踊りなどの郷土芸能が行われ、広場から大阪橋にかけ数多く屋台が出店し長蛇の列ができた。

 去年は雨に泣き、1日だけの開催となった七夕祭り。快晴の今年は、雲ひとつ無い空に七夕飾りがなびいた。
 初日午後2時ごろ行われた開会式ではリベルダーデの鳥居に池崎会長、鈴木運蔵宮城県人会副会長、山下譲二文協副会長、州崎順援協理事、与儀昭雄県連会長、セー区長アウビス・ブケローニ・ネボォラウ氏、ウィリアン・ウー連邦下議ら来賓多数が集まり、南米大神宮の逢坂天峯神主がお払いを行った後、テープカットを行った。一行は舞台に移動し、池崎会長が七夕の由来、開催の喜びなどを話し、その他来賓らがそれに続いた。
 池崎会長は取材に対し「どんどん栄えていくリベルダーデを含め、伝統も変るのではなく、これからも残していかなくてはならない」と同祭開催への思いを話した。
 ラジオ・ニッケイの宮城パウロさんと瀬名波美恵子さんの司会のもと、郷土芸能からポップ音楽ショーなど多彩なプログラムが催され、両日とも人だかりが絶えなかった特設舞台。開会式ではACAL婦人部、青年部ら90人ほどが笹の葉を手に持ち民舞、七夕音頭を披露。レプレーザ連の阿波踊りなど華やかな演出に詰め寄せた来場客から拍手と歓声が送られた。
 歩行者天国となったガルボン・ブエノ街とエストゥダンテ街は両日とも人で埋め尽くされ、短冊を扱う売店など、大阪橋に並ぶ40店の屋台の前はごった返した。
 逢坂神主は「その人の本心が現れて面白い」と七夕名物の短冊について話す。4万枚ほど売れる短冊は願いの種類によって6つに色分けされ、毎年の人気は黄色=お金、青=健康、ピンク=愛。笹竹にかけられた短冊の内容は大学入学、出世、家族の幸せを願うものと様々。
 青の短冊を選んだ藤田オリンピアさん(60、二世)は、日本語習得のため日本へ行く17歳の息子の健康、加護を願った。
 岡松ヒデオさん(71、二世)は妻ちずこさん(72、二世)と共に去年に続き訪れた。昨年長男が大怪我をして、短冊に回復を願った。大きな手術を2度行い、今快方に向かうことへの報告と感謝を込め、「神様にありがとう」と書いた短冊を二人で結びつけていた。
 中沢会長は開催初日「天気も良く多くの人が着てくれた。ここに定着した祭りになったことが嬉しい」と目を細くした。
 短冊の供養はアチバイアの中沢スポーツセンターで8月15日に行われる予定。