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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2010年7月28日付け

 日曜日などの暇なときに炊事場を見渡すと、炊飯器、魚焼き、電子ポット、電熱器、電子レンジと電気ばかりなのである。パソコン、テレビもだし、冷房や暖房もすべてが電気なのである。エジソンが京都の竹からフィラメントを作り電球の実用化に成功してから100年超になるが、今や電灯も発光ダイオード(LED)になり、とても明るい▼しかも、寿命が長い。これまでの白熱電球に比べると40倍も長持ちし、1日10時間の使用だと、10年以上取り替える必要がないというからびっくり仰天する。勿論、消費電力も白熱電球の8分の1以下。日本でも販売されており、ちょっと高いけれども、この「灯り」を求める人々が多く、市場は倍倍ゲームで伸びているそうだ。これと同じように冷蔵庫なども省エネが進み、テレビも薄く薄く―の時代である▼寒い冬の夜は電気毛布で暖まりぐっすり安眠という極楽浄土の暮らしに雪国の人たちは大喜びである。今、ガソリンを燃やして走っている自動車にしても、もう電気でモーターを動かす時代になり、難しかった電池の充電も容易で簡単になっている。三菱の電気自動車「アイ・ミーブ」はフル充電で160キロ走るが、3分の充電で80キロ走れるようになったそうである▼この電気自動車を使うタクシー会社も現れたし、あと10年もしないうちに石油燃料とサヨウナラの時代が来る。そうなるとバイオエネルギー産業には痛手だろうけれども、これはこれでやむを得まい。東京の大学では電気で航行する船の実験に成功したし、もうすぐ石油とお別れの日がやって来る。(遯)