ニッケイ新聞 2010年7月29日付け
テレフォニカへのVivo株30%の売却が議論されていたポルトガル・テレコム(PT)では、Vivo株を手放す一方で、ブラジル内事業への参加維持のためOiへ22・4%出資参加する意向を示している。28日リスボンで開かれるPTの経営評議会の中で、両案件が並行して承認される予定。28日付伯字紙が報じた。
今年5月からスペインのテレフォニカはポルトガル・テレコムが保有するViv株30%の売却を要求していたが、ポルトガル政府がゴールデン・シェア(特別株)という名目のもと拒否権を主張するなど、その交渉は難航していた。
Oiの経営権を握るのは、ラ・フォーラ、アンドラーデ・グチエレスグループや社会開発銀行(BNDES)、公社の年金基金が出資するホールディング会社テレマール・パルチシパソンイス。PTは84億レアルの出資額で、同ホールディング会社を通してOiに出資参加する。
Vivo株の売却を拒否するポルトガル政府の意向は、ブラジル内でのプレゼンスを維持したいというもので、ポルトガルのジョゼ・ソクラテス首相はルーラ大統領との会談の中で、Oiを介したPTのブラジル内事業の保持を提案していた。
今回のPTのOiへの出資案は、08年4月より株価が42%下がっていたOiの運営改善にもつながると考えられたほか、今後の国家ブロード・バンド計画(PNBL)の推進におけるブラジル・ポルトガル間の協力も考慮してのこと。
今回、Oiへの出資が決定したことでPTはVivo株を手放す形となる。Vivo株の売却額は、現在の71億5千万ユーロから75億ユーロへと上げられる予定。PTによるOiの株取得はVivo株を売却した後で、9月の始めまでに完了される。
それでも、PTがOiに占める決定権は小さいもので、Oiの経営権は依然としてラ・フォーラ、アンドラーデ・グチエレス両グループに託されることになるとされる。