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問題だらけの高速道路=修理後1年で元の木阿弥
ニッケイ新聞 2010年7月29日付け
サンパウロ州とリオ州を結ぶヅットラ街道とニテロイ橋の通行料が8月1日から値上げとなるが、サンパウロ州内の高速道路保守作業は不十分で、州会計監査院調査では70%に不具合が見つかったと27日付フォーリャ紙が報じた。
高速道路の保守作業は路面や標識整備など様々な項目を含むが、最も多い不具合は、アスファルトがえぐれたりひび割れたりしたもの。中には路面が波打ち、あちこちに穴が開いたり、路肩が崩れた道路も見られ、高速運転のまま通れば、事故につながりかねない場所もある。
更に問題となるのは、保守作業後1年もしないうちに元の状態に戻ってしまい、常に〃工事中〃の標識が出たままの道路さえある事だ。
これらの問題の多くは、どの位の重量の車がどの位の頻度で通るのかなど、該当する道路の利用状況の分析が不十分なまま保守作業が行われている事が原因で、1週間に3度もパンクしたトラックもあるという。
設計時に想定した通行量や重量と開通後の実態が異なれば、道路の傷み具合は大きく変わり、アスファルトの質や厚み、その下の基礎工事、雨水などの排水施設、車線や路肩の幅など、保守作業の内容も左右される。
重量違反の車が多ければ傷みも激しくなり、通行料などで埋め合わせる事が出来ないという事態も起きるが、保守作業の発注者が正しい指示を出していても、作業担当者が経費節約のために安い材料を選んだり、突貫工事をしたために手抜き個所が出たりといった例もあるようだ。
保守作業の問題は高速道路に限らず、新装成ったサンパウロ市のマルジナルでも標識不備の問題が指摘されるなど、市役所や管理会社の連携不足は日常茶飯事といえそうだ。